多品種少量加工自動化システム
量産ラインにおける変化
同じラインで異なる複数のワークを加工することを「多品種混合」、「混流生産」などと言います。量産ラインにおいてはかつて、専用機や専用治具など1つのワークに重点を置いたライン構成が主流でしたが、新たな製品への対応や販売状況によるフレキシブルな生産計画の変更などに対応するため今では多品種混流生産が注目されています。
多品種少量生産の自動化
中小企業は多品種少量加工がメインとなっていることも多く、ワーク交換やその度にツールの入れ替えなどの時間を必要としています。今回の技術情報では多くの時間を必要としている「ワーク交換」と「ツールの入れ替え」を削減する自動化提案です。
◆課題
- ワークの交換(段取り)中は機械が止まったまま
- 30番・40番相当の縦型マシニングセンターの場合、工具マガジンの本数は最大で20~60本※1程度でツールの入れ替えが頻繁に発生する
- 工具の入れ替えにオペレーターが張り付きになってしまう
- 加工完了にあわせて予定を組まなくてはならない
※1 コラム取り付けの場合。(別置タイプは含まず)
多品種少量自動化システムの一例
弊社の自動化システムで解決できること
- ロボット1台によるワークとツールの自動交換が可能→非切削時間とオペレーターの拘束時間の短縮
- ワークとツールのストッカマガジンを1つに集約→それぞれのストックマガジンを設置するようにもフロア設置面積を小さくできる
- ワークとツールの投入・払出ステーションが一か所→オペレーターの拘束時間削減
- 自社の加工ワークや工場環境にあわせて仕様やレイアウトを自由に変えられる

システムレイアウト



特徴①ワークストッカとツールマガジンがひとつに
- ATC装置のノウハウを活用し規格の異なる工具を一つのマガジンに収納できるようにしました。収納本数はお客様の要望にあわせて自由に変更できます。

- ワークストッカとツールマガジンが一つになったことでツールマガジンのスペースが不要になり省スペースです。また、工場環境にあわせてレイアウト変更も可能です。

特徴②ティーチングが簡単
- 旋回式マガジンはロボットでの着脱位置が常に同じ位置なので複数個所のティーチングは不要です。だから現地での立ち上げも早い!

特徴③マガジンへの入れ替えは安全で容易
- 回転テーブル方式の投入/払出ステーションは自動運転中でもワークのセットが可能です。また、安全柵の外で作業を行うため安全もしっかり確保されています。

収納本数や工場環境にあわせてマガジンのレイアウト変更が可能
- 一品一様の特殊仕様の装置を設計製作している当社だからできる自由自在のマガジンレイアウト。チェーンタイプの主なレイアウトをご紹介します。その他のマガジンに関することは技術情報に掲載しています。マガジン技術情報を見る
【縦型タイプ】

【横型タイプ】

【複合タイプ(縦型+横型)】

仕様概要
加工機 | FANUC製 ロボドリル |
加工機主軸 | BT30 |
ロボット | FANUC製 垂直多関節ロボット6軸 |
ハンド | 自社設計製作 |
制御システム | 自社設計製作 |
ワーククランプ | (株)MSTコーポレーション製 スマートグリップ(外部サイト) |
ストックマガジン概要
型式 | MG100(BT30+HSK-A63) |
収納本数 | 100本(BT30:50本 HSK-A63:50本) |
収納可能最大径 | Φ190mm |
収納可能最大長 | 加工機に搭載できる工具長及びワーク高さに準ずる |
選択方式 | 番地固定 |
オプション | 収納本数変更 全体カバー その他ご要望にあわせて対応いたしますのでお問い合わせ下さい。 |
本記事は一つの例としてご紹介しております。お客様のご要望にあわせて設計可能ですのでお問い合わせ下さい。また、その他の装置の納入事例は下記よりご覧になれます。